知り、自らのものにし、分かち合う | 武者修行プログラム™

知り、自らのものにし、分かち合う

  • 小谷風葵
  • 上智大学
  • 2017春

武者修行の参加動機は「日々感じる不完全燃焼感」

 たった2週間で何が変わるのか。何を得るのか。変態という大きなインパクトを自分自身に与えることはできるのだろうか。そういった不安は1ミリも持たずに、むしろそれらを確信して参加を即決、武者修行に挑みました。参加動機は本当に単純で、高校時代の体育祭や部活に対するあのがむしゃらに取り組む自分が懐かしく、このままふんわりと大学生活を終えたくなかったから。「ビジネスインターン」の部分よりも、「武者修行」の部分に魅力を感じ、とにかく日々感じる不完全燃焼感をどうにかしたいという一心でした。

変化した価値観「ビジネスの本質に気付く」

 今まで20年間多くの経験をし、悩み、感銘を受け、考えさせられ、様々な価値観に触れてきましたが、自分の中で価値観が変わるという経験はしたことがありませんでした。

 しかし、武者修行に参加し、文字通り、特にビジネスという点において、価値観が大きく変わりました。私にとってビジネスとは、利益追求型の息苦しい表面上のものという印象でした。今考えると、私の父を含め、尊敬する多くの人はビジネスマンであるにも関わらず、もしかするとただビジネスという響きが嫌だったのかもしれません。しかし武者修行でビジネスを経験して少し理解し始めた今、ビジネスとは相手のために、共に作り上げていくものなのではないかと思っています。売りたいものを売る、やりたい企画をやる。それは自己満足、趣味の範囲でしか在りません。多くの人に知ってもらいたい自信作である企画、商品だからこそ、ただ自分の気持ちだけではなく、お客様の本当に求めるものへとこだわりを持ちつつ手を加えていかなくてはならないのです。和也さんはお客様のニーズを氷山に例えて私たちに教えてくださいました。氷山の見えている部分、そしてその下の土台となっている、見えていない部分にこそお客様の本当のニーズがあり、私たちはそのお客様自身も知らなかった部分を可視化させていかなければなりません。つまり、主体を問わなければ、ビジネスとは完全なる共同作業なのです。ごはんを食べに行くと机に置いてあるアンケートも、ネットの口コミも、一見間接的すぎてなんの自覚もないままにクリックしているネット通販の注文するボタンも、すべてが知らず知らずのうちにその対象への協力となっているのかもしれないと思いました。もちろんその商品を作ることに実際に携わっている仲間との協力も大きな存在であることは言うまでもありません。それぞれがそれぞれの思いを持って、商品、企画を愛し、誇りを持っているからこそ、お互いに本気で仕事ができるのです。ビジネスの難しいところは、どれだけ本気で、そして相手の立場に立って、自分のこだわりを持って向き合えているかというところ、そしてそのバランスにあるのだと思います。そのバランスがぴたりと合った時、成果や利益として、お客様からの「ありがとう」が形になるのだと思います。

変態のその先に「人生を豊かにする財産」

 楽しむこと、自信をもつこと、好きになること。これらを持ち合わせた時、豊かにそして強くなれると感じました。私にとっての変態の先にあるものはきっとこれなんだという実感もあります。そしてこれは自分に対することでも、相手に対しても同じことが言えます。武者修行を通して学んだ私だからこそ、自分の向き合う相手が同じようにこれらを持つことが出来るように、サポートしていく責任があります。武者修行に参加すると何が得られるのかというと、これだと絞った答えを出すことはできません。それは参加者の求めるもの、元々の性格、モチベーションによって異なるからです。しかし、少しでも武者修行への参加を考えている人がいたら、私はとりあえず参加してほしいと強く思います。それは、確実に自分と向き合うことが出来るから、そして自分と向き合ってくれる仲間がいるからです。ここではビジネスに対する価値観の変化を主に述べましたが、武者修行を通しての仲間との出会いは、本当に人生の財産だと言えます。ぜひ参加してみてください。そして、自分だからこそ得られた学びや気付きを、自分だけのものにせず、出会うすべての人と共有してください。いつか私も皆さんの共有に出会えることができれば、本当に素敵なことだなと楽しみにしています。