大学生活の1%を「変態」に費やす意味
- 秋山健一
- 龍谷大学
- 2016春ターム
「ベトナムにある出来て間もない店舗で、自分たちが考えた企画を、自分たちの力で実行する」
言葉にするとこんなに短いのに現場でやるとなぜあんなに大変なのか……。
ホントに実際に経験しないと分からない事って多いです。それだけでも参加した価値あった。
参加を決めた理由
まずこのプログラムに参加した理由はというと、単純に「おもしろそうだから」というのが一番の動機でした。笑
海外を見てみたいとか、自分が実務やビジネス的なことをどこまでできるかとか、面白い人達に会いたいとか、そういうの全部ひっくるめて軽い気持ちで参加しました。
ベトナムに行く前、日本で企画を考えている時は自分とチームメンバーそれぞれがやりたい事をいくつも企画の中にねじ込み、「これでもういけるっしょ〜」と意気揚々とベトナムに乗り込みました。
しかしベトナムに着いてからは、毎日が嵐の中で遭難中の小船のようにテンヤワンヤでした。
チームビルディングと箱を壊す覚悟
自身のコミュニケーション能力が足らず、チームメイトとの会話が不足する。
そんな中作った、仮説と検証がきちんとなされていない企画に対する、ファシリテーターさんからのクリティカルなフィードバック。
始まってから4日目まではほとんどこんな感じでした。
今思うと、4日目までの僕はかなりダメでした。
全力を出してるつもりになって、チームメイトに心を開いている気になって、気を遣っているフリをして。
僕は言いたいことがあっても遠慮して言いませんでした。
そんな状態のチームがうまくいくはずもなく、あの時の企画に関する話し合いを後で振り返ると、遠慮と妥協と思いつきのみから出来上がったものでした。
そんな時にファシリテーターさんとの面談があり、そこでその人たちに色んなことを質問されました。
「なぜアンケートを取らなかった?」「誰も取ろうと言わなかったのか?」
「チーム内で意味のある議論が行われているのか?」「議論ができる状態なのか?」
「チームの仲間を信頼しているのか?」「チームの相手に心を開いているのか?」
どれもこれもできていないことばかりで、耳が痛いを通り越して、心臓に刺さりました。
「人に心を開く」
おそらく自分でもずっと前から課題だと知っていて、あえて目をそらしていた部分。
でもチームでビジネスをしていく中で、どうしてもやらなきゃいけない部分。
怖かったけど、チームメイトの2人に心を開いたことで、彼らも開いてくれました。
2人のおかげで、プログラムが後半になるにつれて、ビジネス面やそれ以外のぼくらの話し合いはとてもスムーズになり、心地よかったです。
でも、ただ心を開けばいいわけではありません。
思っていることを全部口にすれば、相手を傷つけることもあります。
そして、自分が心を開いたとしても相手も同じように開いてくれるとは限りません。
しかしそれでも自分から開かなければ相手が開いてくれることはほとんどありません。
そういう意味でも、僕と真正面からぶつかってくれた同じチームの2人には感謝の気持ちしかありません。
僕がこのプログラムで得た大きな学びの1つは人とのつきあい方でした。
チームメイトの2人には本当にありがとうと言いたいです。
山梨弁で言うと、えらい感謝しとるじゃんけ!
ベトナムで学んだことを挙げていけば、大小合わせてキリがないほどあげることができます。
しかし一番の学びを決めるなら「自分はまだ人に対して100%心を開いていない」と気づけたことでした。
心を開くことは、正直今でも出来ているのか自信はありません。また出来ているつもりになっているのかもしれません。
それでも一度気づいた以上、これからの生活の節目節目で振り返って、
「自分はまた心を閉ざしていないか?」「自分の箱に閉じこもっていないか?」
と確認することができます。
でも必ず心を開かなきゃいけないわけではなく、自分が「閉じたままでいい」と思っているならそれでいいんです。
でも、開いたほうが広がるんです。できることの可能性が。
支えてくれる存在
武者修行をオススメするポイントですが、一番推したいのは何と言ってもファシリテーターさんの存在です!
僕らの成長や変態を手助けしてくれる存在であり、この人たちのおかげであの2週間は成り立っているのだと思います!
この人たちのビジネススキルや人に対して真剣に向き合う姿、人生経験とか尊敬してます!
2週間もこの人たちの胸を借りられるって本当に豪華なことだと思います!
それ以外にもビジネスファシリテーターさんには企画立案や実行を進める上で、本当に初歩の初歩から教えてくれましたし、現地コーディネーターさんは生活する上で不安があればすぐに対応してくれました。
このファシリテーターさんたちの存在は武者修行に参加するとてつもなく大きな利点だと思います。
武者修行の14日間は、大学の4年間のうちのたった1%位ですが、この1%に時間やお金を費やす意味は十分すぎるほどあると思います。