基準を他人ではなく自分に
- 畑中佑斗
- 金沢大学
- 2019春
生きづらさを変えたかった
僕が武者修行に参加した理由は,「自分を変えるきっかけが欲しかった」の一言に尽きます.僕の幼少期の家庭環境はあまり良くなく,いつの間にか”完璧にこなさないと自分には価値がない”と無意識に思うようになっていました.そのため,完璧の基準を他人に設定し,いかに目立たず周囲と同じようにふるまうかを気にしていました.また,失敗することを恐れて出来ることばかりを選択し,人に言われたことだけは全力でこなしていました.そのため周囲からは高く評価されますがいつも自分に自信がなく,生きづらさを抱えていました.そんな時に武者修行の存在を知って,新しいことに挑戦して経験を増やせば変われるんじゃないかと思い,参加を決意しました.
チームより自分自身にフォーカスしていた
そんな思いでベトナムに向かいましたが,最初は全く自分の思い通りにはいきませんでした.人からどう思われるかを気にしてただ周囲に合わせてしまったり,人間関係で波風立てないように自分をオープンにせず表面的にしか関われなかったため,なかなか自分の意見を持ったり,発言することができませんでした.初対面のメンバーとチームで活動することの難しさを痛感しました.そこで,中間発表後のチーム面談で思い切って自分の過去や弱さを打ち明けました.ファシリテーターのトシさんには「チームに貢献することよりも自分が恥をかかない事の方が大事って思っていたんだね」と言われて,改めて自分にばかりフォーカスしていてメンバーの本気に応えられていなかったことに気づき,上手くまとまっていなかったり,良い意見は言えないかもしれなくても自分の思ったことをもっと素直に言うようになれたと思います.チームメンバーとはより信頼して深く関われるようになり,人と関わるときに自分の弱さも認め,自然体で関わる事の大切さを学びました.
すぐに行動することの大切さ
もう一つ学んだ大きなことは主体的に行動することの大切さです.僕は今まで誰かが決めた正解を追いかけることばかりに必死になっていました.しかし,情報をインプットすることは時間をかければ誰でもできることで,重要なのは自分で価値を生み出す事であると身に染みて理解する事が出来ました.新規事業の立ち上げには正解がなく,自分たちで課題設定し,検証し,次に活かすことの繰り返しです.完璧な準備をして失敗せずに1回で結果を出すことよりも,まず行動して次にどうするかを考える.僕は考え方がロジカル寄りなのでこれにはまだ特訓が必要ですが,これはビジネスに限らず生き方にも共通していて,自分で考え,決断し,試行錯誤しながらそれを正解にしていく事で自分をより成長させることができると感じました.
人からどう見られるかではなく、自分が挑戦してみたいか
武者修行では自分の弱さ,不甲斐なさに悔しい思いをたくさんしました.もっと早く自分を出して動けていれば…という後悔もあります.ですが,この2週間で今までの自分ではできなかったことに挑戦できた経験や,そんな自分にぶつかってきてくれたチームやタームのメンバーのおかげで弱さを乗り越えるきっかけを掴めたと思っています.
武者修行を終えて,自分を出すことを意識するようになり,以前より人と深い関係を築く力がついたと感じています.また人からどう見られるか,うまく出来るかよりも自分が挑戦してみたいかを大切にするようになり,積極的に新しい環境に飛び込むようになりました.自分に不足している能力を手に入れるためには自分で挑戦して困難を乗り越える経験か必要であり,それには時間がかかるものだと思います.そのため,武者修行に参加したことで突然ハイスペックな人間になれるとは言えませんが,心の持ちようや行動が変わることで人生がより充実し生き生きとしていられるようになると思います.正直,「もっと早く知って参加していればもっと学生生活が充実していたのに…」と思って悔しいくらいです.ここで武者修行の存在を知れた人は本当にラッキーだと思います.挑戦するなら「今」です!