自分という人間に少し触れた気がした
- 平加愛里沙
- 福井県立大学
- 2019春
本気で人と関わることをもう一度したい
私がこのプログラムに参加した理由はここに行かなければならないとただ漠然と思ったからだった。後付けになるかもしれないが、2年の夏にチームビルディングやビジネスに関して似たような内容のインターンに参加した。そこで私が得たものは本気で人と関わることの面白さだった。この体験は私を虜にし、また同じような環境に自分の身を置いてみたいと思った。自分が人との関わりの中で何を見て、何を聞いて、何を感じて何を考えるのかという自分というものへの好奇心が私の参加を決めた。つまり、私は自己理解を課題としてこのプログラムに参加した。
保身や失敗の恐れ
参加して学んだことは2つだ。
①自分の保身
人と初対面で話すのは得意だと思っていた。しかし、私はかなり人の反応を気にしているということがわかった。自分に対しての他者からの批判が怖いと感じており、そのため他者に対して自分の不満をぶつけることをためらっていた。これに気づいたのはメンバーからの指摘にあった。私が失敗をした時、その失敗を責められないようにするために自分の失敗から波及して起こりうる物事を全て先に謝っていた。メンバーはその私の保身からそれは心から謝罪しているのと違うと思うし、時間が限られた中でそうやって自分の悪いところを探している時間はない。それよりもその失敗にどう対応するかを考えなければという発言だった。図星すぎてぐうの音も出なかった。結果、チームの責任であり、互いへの指摘の足りなさなどに原因を置いてメンバー同士で1発土下座をし、切り替えて企画に参加した。今まで体験したことのない爽快感があり、企画に対してより集中出来た。
②失敗を極度に怖がる
人との関わり、企画の内容などの全てにおいて私は失敗を怖がるところがあった。先のことを心配し、自分ではリスクマネジメントとして”出来ること” “出来ないこと”を判断していた。効果測定日1日目、授業がなかった(日本語学校担当)私達は自分達の企画である学習プリントを全課分作ることが最終プレゼンで有利に話せると考えていた。しかし、先生達から頂いた言葉は「なんで引き継ぎみたいなことを今しているの?僕たちは君たちに求めているのはそんなことじゃなくて、子供達の率直な意見なんだよ」でした。勝手にもう時間はない、やっても形にならないものに挑戦するより足固めをしようとしていた私達の保身のための計画を指摘された瞬間でした。そのあと、方向転換をしてマネージャーや生徒、ベトナム人TAさん達にお話しする時間を取り、未完成ながら企画を1つ立てた。最終的にはその姿勢が和也さんから評価され、優秀賞と条件付き採用をいただいた。
自分がどういう人間かに気づいた
この武者修行を通して、自分という人間に少し触れた気がした。日常生活ではなんとなく気づいているけど掴みきれてないことを武者修行という環境は私に教えてくれた。あとは同じ状態にいる仲間がそばにいるから向き合う勇気を持つことができた。日本に帰ってからも、同じタームで毎日挑戦することをひとつ決めて公表しあい、そのフィードバックをするということも行っている。ビジネスインターンとは言うが、自分の形成、他人との関係の築き方、時間の使い方など当たり前なことが実感として得られた。
自分がどういう人間で、何を活かしてどうあるかを自分の常識が通じない環境で考え続けることができる2週間はなかなかないと思う。何か言語化できないものを抱えている人にはこの武者修行というプログラムに参加してもらいたい。