新たな自分への第一歩 | 武者修行プログラム™

新たな自分への第一歩

  • 西潟拓真
  • 長野高専
  • 2017春4ターム

やりたいこと探し

大学三年になり、就活を意識しなければならない時期になった。

でも、自分には、やりたいことや夢なんてない。

「企業のネームバリューと年収あたりをチェックして入れるところに就職すればいいや。」そんなあきらめに近いような考えを持っていた。

そんな漠然とした考えのまま、私は高専のカリキュラムの一環である地元企業への長期インターンに行った。

実際に企業で4ヶ月間、無賃で働いた。

そこでやっと『働く』ということに真剣に向き合うようになった。

社会人になってからのほうが学生時代よりはるかに長いのに適当に仕事を決めていいのか?

自分には本当にやりたい仕事がないのか?

不安や焦りに駆られ、就活やインターンに関してがむしゃらに調べまくった。

そこで行き着いたのが武者修行プログラムだった。

上から与えられた仕事をこなすのとは違う、新興国で自ら考えた企画を最後まで完成させるという実践型プログラム。

明らかにほかのインターンプログラムとは一線を画す内容だと思った。

事前研修で、代表和也さんの「新社会人の職業ミスマッチ問題をなくすには、学生のうちに一貫したビジネスを経験することが重要。」という言葉に大いに共感し、私は武者修行プログラムへの参加を決めた。

 

武者修行プログラムで学んだこと

ビジネスの地道で険しい道のり

私たちが担当した日本語学校は武者修行の新規で開校したばかり。

文字通り、ゼロからのスタートだった。

私たちのチームは日本にいる段階で、新規店舗は枠にとらわれることなく自由な発想でビジネスができるのではないか、初回担当チームとしてでっかいことやってやろうと意気込んでいた。

しかし、実際に現地に行くと、自分たちの考えがいかに甘かったか思い知らされることになった。

十分なデータも取れず、中間発表はボロボロ。

悔しい気持ちを抑えながら、自分達の企画についてもう一度話し合った。

その結果、私たちの企画は自分達が「これをやりたい!」という気持ちが先行してしまって、今の日本語学校に本当に必要なものが見えていなかったことに気がついた。

「今の日本語学校の良さを生かしつつ、足りないものをカバーする、そんな企画を作ろう。」

チームメイトのその言葉のおかげで、もがき苦しみながら、それでもなんとか自分達の思いと企画をホイアンに残すことができた。

新興国でのビジネスの立ち上げ過程をリアルタイムで見るだけではなく、自分達がその立ち上げに関われたということ。

大学生活では絶対に体験できない、一生ものの経験となった。

 

『話を聴く』ということ

昔から「お前は全然人の話を聴いてない。」とよく言われていたが、全く反省はしていなかった。

自分ではそれなりに聴いているつもりだったからだ。

しかし、代表和也さんの鋭い視線で「お前は全然人の話を聴いていない。」と言われた時、完全に逃げ場を失った感じがした。

『話を聴く』というのは相手に意識を向けるだけではなく、自分が相手目線になってその人が真に言いたいことを掴むこと。

この言葉が私の武者修行においてもっとも重要な教訓かもしれない。

そんなの当たり前だろ!という人には申し訳ないが、私は生まれて21年間、一度もそれを意識して人の話を『聴いた』ことはなかった。

自分目線ではなく相手目線に立つ。その発想がなかった私は、はなから相手の話を聴く気なんてなかったのかもしれない。

「たくま、私と全然目を合わせて話してくれない。距離を感じる。」

チームメイトからそう言われたとき、仲間の話を真剣に聴かず生返事でごまかしていた自分に気づいた。

その子の話を、目を見て、聴いていて自然と涙が溢れてきた。

私が変態した瞬間だと思う。

 

武者修行のススメ

武者修行に応募したときから私はこの年は『自分の将来のために色々なことに挑戦する年』にしようと決めていた。

武者修行はその第一歩だった。

これからは、武者修行で得たビジネスへの興味と教訓を生かし、真剣に自分の人生のオールを漕いで行こうと思う。

私と同じように将来に明確な目標がなく、何をしたらいいのかわからないという学生がいたら騙されたと思って参加してほしい。

絶対に後悔しない。