2週間で掴んだ大きなきっかけ | 武者修行プログラム™

2週間で掴んだ大きなきっかけ

  • 松原悠佳
  • 広島大学
  • 2022春

武者修行プログラムを知ったきっかけ

 

私が武者修行プログラムに興味を持ったきっかけは、高校生の頃に旅系のイベントで出会った素敵な大人たちが、「武者修行に行った」と話していたことです。彼らに憧れて、私は高校3年生の終わりに説明会に参加しました。しかしその時は、親に反対され、説得する勇気も無く参加を見送ってしまいました。そして大学1年生の冬、私は武者修行プログラムをインスタグラムのストーリーで見つけ、そこで、もう一度参加を考え始めました。

 

 

「このままじゃいけない」という危機感

その頃の私は、「このままじゃいけない」と自分に対するなんとも言えない危機感を持っていました。しかし自分のどこを改善し、どうなりたいのかが不明瞭なまま、毎日を忙しく過ごしていました。

ただ唯一明確な課題点として人間関係において「人と正面から向き合えない」という弱みがありました。これは、昔いじめられていた時に大人が教えてくれた、「いじめてくるような人のレベルに合わせなくていい」という言葉から身に着けた、いわゆる「スルースキル」が強く私の心に残ってしまっていたことから生まれたものです。このスキルは次第に独り歩きして、自分と合わない人や苦手な人から自分を遠ざけるようになり、自分と合う人とだけ一緒にいることができたらいいと考えるようになっていました。しかし大学に入り今までよりも広い世界に接したとき、気が合わなくても互いに認め合い、楽しい時間を共有できる人たちをたくさん見ました。また、合う合わない関係なく、仲良くなりたいと思う人とたくさん出会う中でこの弱みに向き合って行きたいと考えるようになり、いわば人と正面から向き合わざるを得ないこのプラグラムに参加しようと決めました。

 

 

プログラムを終えて

プログラムに参加した感想を正直にいうと、「めちゃくちゃ苦しかった」です。2週間のうち8割ほどは、苦しい、辛い、先が見えないという思いと闘いながら過ごしていました。プログラムが終わって笑顔ですっきりとした表情の仲間を見て、とても悔しかったのを覚えています。そこでプログラムが終わった今、なぜ私は他のメンバーのように「楽しかった」「充実していた」という言葉が一番に出てこず、辛かったことの方が印象に残っているか考えてみました。

 

それはおそらく、最後までチームになり切ろうと葛藤し、自分の苦手なことである「人と向き合う」に向き合おうとし続けられたからではないかと思っています。チームメイトになったある男の子とは話がいつもかみ合わず、交わす意見が毎回正反対でした。もしこのプログラムに参加する前の私が彼と出会っていたら、間違いなく、合わないとわかった日から近寄ろうとしなかったと思います。でもこの武者修行では絶対に逃げないぞという気持ちを持って、2週間を過ごしました。その中で、朝の4時まで言い合いになったり、号泣したり、辛くて寝る気になれずに徹夜で翌日の活動に参加したりしながら、時には彼を含めたチーム3人で本音を言って泣き合ったり笑ったりすることができるようになりました。向き合うことから逃げてしまうこともあったけど、間違いなく仲間になれていた時間はあったと思います。

 

 

プログラムで得られた学び

このようにチームメイトと向き合う中で得られた学びは、私は人に自分の内側を見せない癖があること、相手を一方的に見下して相手との関係から逃げ、自分だけで納得してしまう癖があることでした。

 

チームメイトと強固な信頼関係が築けなかったのは、自分の感情や本音を出し切れていなかったからだと思っています。言い合いになるのは、自分が一方的に相手や相手の意見を見下して、受け入れる姿勢が無かったからでした。初めにも書いた私のスルースキルは、相手を自分より下に見ることで発現していたものだったようです。
私は人と向き合う中で苦しいも多く時間を過ごしましたが、それだけ苦しかった分得られた経験や気づきはとても大きな学びになりました。

こうしたもやもや、学びの言語化は、ファシリテーターに相談したことでその解像度が上がっていきました。彼らは答えを教えてはくれませんが、私にまっすぐ向き合ってたくさんのヒントとチャンスをくれました。

武者修行の2週間だけで私が急激に変化・成長したかと言われれば、そうではありません。。しかし、武者修行で得た経験・悔しさ・モヤモヤをプログラムが終わった後も放置せずに、それらと向き合い続けて自分を変えようとしたからこそ、今の私はプログラム参加前と比べて大きく変わりつつあると思っています。
このプログラムは私が変わるための大きなきっかけとなった機会でした。

 

 

武者修行プログラムを検討している方に一言

もし武者修行プログラムに興味が湧いているのであれば、それは今自分が何かを求めているサインだと思います。私はプログラムへの参加を1年引き伸ばしましたが、初めに興味を持った時に行ってみたいと感じた自分を信じてあげてもよかった、あの時の自分が求めていたものもきっと武者修行にはあったのだろうと、今は思っています。

繰り返しますが武者修行プログラムに参加さえすれば、あなたの人生が180度変わるというわけではないと思っています。武者修行プログラムには人生を動かすための環境ときっかけがたくさん詰まっており、そのきっかけを自ら掴み取ってその価値を何倍にも膨らませることに価値があるのだと確信しています!

 

 

地方創生について

最後に、国内武者修行プログラムならではの、地方創生の面について少し触れてみたいと思います。 私たちは今回の武者修行で「街の中心にある公共施設から商店街に人を流す」というテーマでビジネスプランを考えました。
実際に企画を形にしてみてわかったことは、「いかに街、そこに住む人を知るか」が地方創生、そしてビジネスにおいて何よりも大切だということです。企画をつくる際には、その企画にニーズがあるかという部分がとても大切ですが、人と街を十分に知らなかった時にはこの「ニーズを満たす」という部分に欠け、自分たちの想いもあまり載っていない企画になっていたなと感じます。しかし「知る」ことで愛着や思いやりが生まれるにつれて「その場所で本当に求められているものは何か」「この地域の人たちのために何かしたい」が強くなり、という問いの答えにより近づくことができるのではないかと感じました。

 

街のことを知ろうとする中で、鹿屋市の第一線で街づくりをされている方にも偶然お会いし、素敵なつながりが生まれました。また、インターネットで調べたり、その街に自分が住んでみたりするだけでは見つからないたくさんのリアルな声を聞くことが出来ました。

何より、実際にやってみないとわからないことばかりで、思っていた何倍も協力していただけることもあれば、なかなか理解が得られないこともありますし、知りたくなかったことを知ることもありました。しかしそれらを含めて、リアルに街に関わり人に関わることができたのはとても貴重な経験でした。

まずは「知ること」そしてそれをもとに求められているものを見つけ、自分たちの想いを乗せて企画をおこすことが地方創生なのではないかと身をもって知ったこの経験は、街づくりや地方創生に興味がある私にとって次のステップに踏み出す大きな学びになりました。