エンジニアにビジネスは必要なのか | 武者修行プログラム™

エンジニアにビジネスは必要なのか

  • 中村涼
  • 金沢大学
  • 2017春

「ビジネスをする上で、今の発言は不適切です。ビジネスを全く理解していない。」

これは、私が修士1年の夏に参加したインターンシップ先の社員の方に言われた言葉です。

私はその言葉を聞いて、一瞬ひるみました。どうしてエンジニアにビジネスが必要なのだろうか。エンジニアはいいモノづくりをするだけでいいじゃないか。

でも、どうしてもその言葉が忘れられなくて、一方で、普段の日常の生活において私はビジネスとは無縁でした

そんな時に、このプログラムの説明会の広告に出会いました。

海外、ビジネスという、気になるワードが並んで、さらにそのプロセスで「自信」がつけられる、「成長」できる

そして、学生のうちにビジネスを知るには、もうこの武者修行に参加するしかないと思いました。

結論を言います。エンジニアにとって、「ビジネス」は欠かせない存在です。

エンジニアはものをつくります。社会から必要とされているもの、誰かから必要とされているものをつくります。ということは、誰から何を必要とされているかを知っていなければいけないのです。そしてまさにそれがビジネスなのです。

オーナーから言われた「顧客が欲しいものを顧客自身は知らない」という言葉を、プログラム中は何度も何度も胸に刻んでいました。だったらどうしたらその顧客さえも知らないものを私たちは生み出すことができるのか?答えは1つ。顧客のことを「知る」ことだと学びました。そして、「本気で知りたい」と思わなければ、知ることもできません。顧客のことを心から知りたい、と思わなければ、信頼を得ることもできません。

つまり、顧客のことを考えないエンジニアは、よいものづくりをすることができないのです。

さらに、2週間で得られたものは単に「ビジネスを知る」ことだけではありませんでした

ビジネスとは、「論理的思考」ができることだけではない

要は、バランスなのだと。

私は、ビジネスはロジックを組み立てさえすればできるのだと思っていました。そして、それができないから私はビジネスを理解できていない、と。

確かに、ビジネスに必要なのはロジカルに考えることです。そして、人に自分のプランを話す時も、ロジカルに話すことによって、で理解してもらうことができます。

じゃあ、「ロジカルに説明されて、は動きますか?」。これなんです。ロジカル一辺倒では、人の心は動きません。ビジネスには論理的な思考の他にも、直感や感情も必要なんです。

この気づきは、実際に商品をお客様に提供する過程を経験しなければ、そして、代表の和也さん方々へのプレゼンテーションを行わなければ、得られなかったものです。

本当に得られた、最高の仲間たち

本気じゃなかったらいい仲間にはなれない。

私はよく「周りの人たちとすぐ打ち解けあえる力があっていいね」と言われていました。それはなぜか。いつも笑顔でいるからです。私が笑っていれば、みんな幸せだろうと。何かのチームにおける議論中も、例え意見が食い違っても、みんなの意見をまとめて、みんなが満足できる結論にしようという気持ちでいました。

しかし、「みんなが満足できる結果」に結び付けようとしていた私の言動は、実は、みんなに損をさせていたんです。損をさせている存在。そんな存在必要ないんです。

チームにとって必要な存在になるためには、自分が変わるしかありませんでした。

「これを言ったら相手は傷つくかもしれない」とか、「自分の意見は押し殺してでもみんなが納得してくれればいいや」という中途半端な思考をなくさなければいけませんでした。

そして、それをするためには、相手との信頼関係が必要です。

笑顔じゃない自分や、わがままな自分を見せて、しっかりと開示して、受け入れてもらう。そのプロセスを通して、受け入れあえる仲間に絶対に出会えるはずです。

地方・理系・院生が参加をするべき理由

私は岐阜県出身で、今は石川県に住んでいる大学生です。

地方から地方へと移ったものの、理系の学生としても自分なりに行動をしている   つもりだったし、それなりに知り合いも多い方だと思っていました。

でも。武者修行で出会った人たちは、本当に多種多様。「学生だからここまでやらなくていいよね」っていうような言い訳が通じない人たちばかりでした。

つまり、「地方だから、ここら辺が限界でしょ、自分はよくやってる方だよ!」という言い訳をしている自分に気づいていないふりをしていただけでした。

でも、ホイアンに集まったメンバーの中には、もちろん都市と呼ばれる地域から来ている人もいれば、地方から来ている人もたくさんいました。そんな彼らに感化されながら、私はもっとできるはずだと実感したのです。

加えて、何もしなければ、理系の学生は通常、学年が上がるにつれて関わることのできる人たちが少なくなります。自分の専門分野ももっているので、将来のことに何の疑問も持たずに生活できてしまいます。それは院生になると尚更実感することだし、私自身そうでした。まるで、自分の知っている世界が全てであると知らずのうちに思い込んでいることもあるでしょう。

でも、そうやって専門分野を突き進めていく中で、ふと、他の選択肢ってないのだろうか、自分の興味ってこれだけだっけ?と見直してみると、不思議なくらい自分には見えていない様々な選択肢が転がっているのに気づくのです

武者修行中は、タームメンバーやファシリテーターの方々と関わりながら、自分という1人の人間と向き合う機会が多いです。だからこそ、「本当に、本当に自分がやりたいことって何だろう?」と、自分の可能性の蓋をあけることができるチャンスがたくさんあります。「できるかどうか」ではなく「やるかやらないか」であることを実感し、「やる」選択肢を選ぶことができるようになるのです。

自走式エンジンは早く積んだ方がいい

これから参加をする皆さん、参加をしようか迷っている皆さん、「海外」、「ビジネス」、「自信」、「仲間」などというワードに1つでも当てはまったら、その直感に従ってみちゃってもいいと思います。海外に興味がなくても、ビジネスに興味がなくても、自信がなくても、1つでも当てはまれば、自分が気づかなかった「学びたかったもの」を得られるはずです。お待ちしております。