BFT高野康(たかやん)
今回は武者修行のビジネスファシリテーターである、たかやんこと高野康さんに武者修行に対する思いなどをインタビューしました!
-武者修行を知ったきっかけは?
東京で独立したプロのコンサルタントが定期的に集まる交流会兼勉強会があって、そこで知り合った人にたまたま武者修行のファシリテーターがいたんだよね。
その人たちとビール飲みながらバーベキューをしていた時に、僕が和歌山で”勝手に観光協会”でしている活動の話なんかをしていたら、高野さんは武者修行に合いそうって話になり、気がついたら既に和也さんにアポイント取ってくれていて、何日か後に旅武者の湯島オフィスで和也さんと話をすることになった。和也さんと意気投合して、その場で武者修行に行くことが決まったんだよね。(笑)
-初めての武者はどうでしたか?
はじめての武者はね、面白かった(笑)。2019年の春タームだったんだけど、学生参加者一人ひとりが日に日に表情が変わり、言動が変わり、成果を出していく姿をみて、純粋に「人間ってすごいな」と思うばかりだった。ぜんぜん成長しない社会人をたくさん見ていたから、そのギャップからかな(笑)
‐2回目の武者修行は1回目と違いはありましたか?
その度ごとに武者修行は違うんだよね。一人ひとり個性があるようにチームにもタームにも個性がある。BFT(ビジネスファシリテーター)としては、事前企画のレビューをする段階で、企画書の行間を読みながらチームのコミュニケーション上の課題とか、企画を進めていった時に出てきそうな課題とか仮説は準備していくけど実際現地で参加者に会って活動を観察してみないと分からない。
武者修行は決められた期間でビジネスを創り上げるとか一人ひとりが自走式エンジンを搭載するという目的は共通だけれども、ファシリテーターにはマニュアルや細かく規定されたプロセスはない。最初は少し戸惑ったけれど逆にいうと何でも工夫できるということ。毎回オリジナルでプログラムを創るという感覚の方が近い。
2回目に気づいたことは、チーム毎にどのタイミングで何をどんな順番でインプットしたほうがいいのか、そのための下地をいつ作るのかとか、準備し過ぎない方がしっくりくるということ。予め決め過ぎないことが大事なんだと分かったんだよね。それぐらい武者修行プログラムや想定を超えることも起こるし、誰かの一言で雰囲気が変わるぐらい、生ものっていう感じ。だから誰にでもできるものではないと思う。
2回目の2019年夏タームで他に印象的だったことは、そのタームは武者修行史上最高の集客記録(1日651人の集客)を叩き出したことかな。数字よりもその数字が積み上がっていく過程1日中店舗の前で見学してた。現実は小説より奇なりといういうけれど感動的なドラマを町という劇場で見せてもらったという感じ、すごい光景だった。
シクロ(ベトナムとカンボジアでよくみかける前輪2輪後輪1輪の自転車タクシーのこと)のおじさんたちがタームのみんなの頑張りを見てくれていて、なかなか集客できない参加者がお客さんを初めて連れてきた時に拍手してくれたり。豆を売ってくれるおばさんや隣近所のお店の人も協力してくれていたりして、参加者の学生たちが、店の周り半径300mくらいの町の雰囲気・空気すらを変えていた。最後は、参加者中心に町の人と観光客一体になった感じで、どんどん勝手に人が吸い込まれていくような空間になっていって、ホント劇場のようでした。
本当に人と町全体がシンクロするような感じでエネルギーの凄さを感じたんだ。鳥肌がたった。心から本気で取り組むと、町の空気さえ変えてしまうほどの力が出るんだって思ったよ。
‐武者修行のFTを続けているのはなぜですか?
武者生一人ひとりと向き合うと毎回発見があるからかな。
一人ひとり悩みどころが全然違うんだ。そういう個々に向き合うことは自分にとってもプラスになるし勇気も希望ももらえる。
「人ってこんなことできるんだ!」とか、「こんなにガラッと変わる?」とか、真剣に取り組んで変わっていく姿をみて、僕も頑張らないと、なんて思うんだよね。
直近の国内武者修行でいうと和歌山県の那智勝浦で観光船のビン玉施策をやったチームもとても印象的だったかな。2人チームだったんだけど、性格(ものの捉え方考え方)が真逆な2人でね。最初の10日間くらいずっと、お互いストレスを抱えるくらい、上手くかみ合わなくてね。最終プレゼンの36時間前まで企画になっていなかった。それでも挑み続けて、ものすごく急激によくなった。最後いいポイントを捉えてやりぬいて結果を出した姿を見て、本当に凄いなと思ったよ。
プログラム後、そのうちの1人と一緒に東京に帰ってきたんだけど、「あいつと同じチームでよかった」って言っているのを聞いて、ものすごく嬉しかった!
‐武者修行はビジネスの面においてどんな効果があると思いますか?
和也さんと初めて話して意気投合した部分でもあるんだけど「会社で求められる力って年々変わってきている。」と思うんだよね。世の中そのものがものすごいスピードで変わっていくし企業に求められること一人ひとりに求められることがもどんどん変わっていくし、予想ができない世の中だと思うんだ。
20年前に作られたような指導要領や20年前の常識のままの学校で習うことはもう古くて、通用しない。通用しないということに気づかずに学んでいる学生がかわいそうに思う。どんどん変わる世の中で、世の中が未経験なことに答えを出していかなければならない。だから「今」「ココ」から学ぶ力がないとやっていけないと思う。だから、大学生のうちに自分が未経験なことでも仮説を立ててやってみて修正を重ねながらやり切るという術を身につけてないとやっていけないと思うんだよね。武者修行はまさにそういった力を身につけようとする人に最適だと思うな。
‐ビジネスファシリテータ―として何を目指していますか?
2つあって、1つ目が、自分でビジネスをやったことない人の思い込みを取り払いたい、ということ。やる前から「難しそうだからできない」と思い込んでいる人が多いと思うんだよね。僕はそれを取り払いたいんだ。現に武者生はいくつもビジネスとして成り立つものを生み出しているし、思い込みを捨てればそんなに難しいものではないと思っている。
2つ目がそうはいっても「ビジネスは一人ではできない」ということを知ってほしいということ。
関係者している人たちとどうやってうまく協力し合える関係をつくっていくかを考えることが大事だってことを分かってほしい。そしてこれはビジネス以外、遊びや恋愛でも一緒(思い込みや独りよがりはすべる)。いろいろな才能、能力を持った人たち、経験の豊富な年上の人ともちゃんと関係性をつくれれば何でもできる!ってことを知ってもらいたい。
ビジネスファシリテーターはそれを体験させてあげられる立場だと思うからそれを感じ取れるようにファシリテーターのチームワークをフルに使って環境づくり段取りをしながら武者生に伴走したいって思っているよ。
‐未来の武者生に向けてひとことお願いします!
大学生は自分のことを学生と思っている人が多いなと思う。「そんなことは当たり前だ!」って思うかもしれないけど学生というのは一側面で、実は学校の外では、社会人なんだってことに気付いてほしい。社会人とは職業人という意味ではなく、社会の一員という意味、物やサービスを買ったり、バイトで稼いだり、社会活動に参加したり、選挙に行ったり、世の中の仕組みやルールや他人からたくさんの影響を受けたり与えたりしながら成立している存在ということ。
大学という枠組みの中で授業を受けて単位を取っていれば責められることは無いし、家族と友達と学校の先生以外の人とコミュニケーションを取らなくても大学は卒業できると思う。そうやって生活していると例えば、就活の時にどんなことを社会で実現したいか?とか、どんな社会人になりたいか?と問われて初めて、何も答えを持っていない自分に気づくことになる。
大学を卒業することは、社会で通用するということを意味しない。だからこそ、僕は学生のうちに早い段階から社会の一員としての意識を持ってほしいと思うんだ。それは世の中の仕組みや世の中で起こっているいろんな現象、社会で働く人に対して、”なぜ”という問いを持って考えたり、そこで動くお金を具体的に想像してみたり、ロールモデルとしてたくさんの大人と会話をしてみることが大事だと思う。大学生のうちにたくさんの大人の中で生きていく術を身に着けてほしい。
もしその術が身につかなければ卒業してから30年経ってもたぶん今の姿と大して変わらない自分に気づくことなると思う。逆に、自分なりの世の中との関わり方を学び続けていればどこにでも行けるし何にでもなれる。
今大学に通いながらやっていることが未来の自分にとってどんな意味があるのか?という問いに、自分の言葉で答えきれない人は一度武者修行に来てみたらいいと思う。
「大学生活イケてるよ!」という人にも腕試しに来てほしい。ゼミとかでビジネスを学んでいて、「自信あるよ!」という人にも来てほしい。
どれだけ分かってないか分からせてあげたい。(笑)
つまるところ、大学生みんなに来てほしいな!挑戦お待ちしてます!
■高野 康/たかやん
事業・起業コンサルタント、ベトナムでの武者修行プログラムのファシリテーター、和歌山県勝手に観光協会会長。主としてベンチャービジネスを対象に、創業、戦略・マーケティング、業務拡充の支援のかたわら、地方創生として、地方と東京、地方と世界を結びつける取り組みを手がける。