『誘いに応えてみる。新しい世界が広がる』ビジネスファシリテーター 高野康 | 武者修行プログラム™

『誘いに応えてみる。新しい世界が広がる』ビジネスファシリテーター 高野康

武者修行ファシリテーター インタビュー
「FT紀行」

● ビジネスファシリテーター 高野康(たかやん)

東京都、和歌山県那智勝浦町の二拠点生活をし、自分の会社はどんな会社ですかと聞かれれば「僕がやりたい仕事をやる会社です」と答えるというたかやん。型破りに見えるたかやんは、今日も地方の力を信じ、人の力を信じ仕事をされている。
そんなたかやんに武者修行プログラムとの出会いから仕事や人生への思いまで伺った。


■プロフィール 高野康(たかの やすし)

大学卒業後、制御系システムの技術営業、ITベンチャー起業を経て、Deloitteグループでコンサルタントとして、会計、組織、人事の領域でIPO支援、企業の成長戦略支援に携わる。
EC系の事業会社の再生に携わった後、独立。現在は、(株)Qualia-works代表兼和歌山県勝手に観光協会会長。
東京と和歌山の二拠点生活を楽しみながら、農村での棚田の保全活動〜大手の戦略系案件まで幅広い活動領域を通じて、「人とコミュニティ」、「人と社会」をテーマに地方創生のプロジェクトを多数立ち上げ活動中。


 

現在のお仕事

大学を卒業してすぐは、システムエンジニアをしていたんですよ。並行してベンチャー企業を立ち上げた後にコンサル業界に入っていきました。最初は監査法人で、IPO(株式公開)支援として、会社の経営・管理基盤整備の支援(主に会計・システム周り)を担当していたんだけど、企業の経営の業績や顧客のロイヤリティを向上していくためには「やっぱり会計の数字の情報だけでは足りないよね」となって、そこから組織設計とか、各種制度設計や人事の領域に活動を拡げていったんだよね。その後、ネット通販などの事業会社の管理本部長なんかをやりながら、自分で事業をやったりイベントをしたりという活動を増やしていった。僕がやりたい仕事をするために立ち上げたのが今の会社「株式会社Qualia-Works」だね。

 

 

お仕事を受け入れるスタンス

〇〇をやる会社ですっていうと〇〇しかできない会社と思われちゃう。必要なことはすべてやるし、他の人がやれない仕事を受けたい。だから言わないようにしてるの。どんな会社なんですか?って聞かれれば、僕がやりたい仕事をやる会社です!って言ってます。(笑)元いたコンサルファームではそういった意味では依頼された仕事は断れないし、逆に契約範囲外の仕事はさせてもらえないこともある。自分のやりたい仕事をしたければ、自分で提案して契約を取ってくるしかない。だったら、コンサルファームに所属していても、個人でやっていてもそんなに変わらない。今はより柔軟な環境で、地方関係の仕事から全く新しい企業の戦略系、システム系に至るまで幅広い領域で仕事をしてるよ。

 

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東京と地方の2拠点生活、なぜ那智勝浦へ?

コンサルで働いてる10年くらい前から「これからは地方だな」と思っていた。積極的にいろんな地方に行ってたんですよ。その中でも那智勝浦を選んだきっかけは熊野古道で中辺路を奥さんと歩いてるときに何か「土地の力」のようなものを感じたんだよね。言葉にすると難しいんだけど、「知れば知るほど新しいことが発見される奥深さ」、「一周まわって新しい世界」のようなものが那智勝浦にはあると思ったかな。活動を始めて5年目になる「和歌山県 勝手に観光協会」では和歌山の良さをアピールするイベントを開いたり、和歌山の物産を売ったりしてるよ。

 

 

武者修行との出会い

武者修行プログラムは独立したコンサルタントの交流会・勉強会の喫煙所で知り合ったFTに教えてもらったんだけど、そこで「高野さん向いてるよ」って勧められて。その場で武者修行のことも和也さんがどんな人かも知らずに面談が設定されていた。いいから行って和也さんと話してみてと。(笑)でもこういう話には乗った方がいいんですよ。他人は、僕の知らない世界を知っている。そして、勧めてくれた相手には自分もまだ知らない一面が見えてるってことでしょ?「人からの誘いを断らない」というポリシーが僕にはあるんだけど、自分の中で先に物事を評価してしまうと、自分の価値観はその先には広げられないからね。「そんなに言うなら行ってみよ」、それが武者修行に関わるきっかけだったね。

 

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武者修行に出会って変わったこと

人に対する可能性をすごく見直せたことかな。武者修行中、大学生って日々どんどん変わってくるじゃん?あ、人ってこんなに変わるんだって思ったんだよね。それまでの社会人経験では、短期間で結果を出さないといけないから「この人はこういうタイプだからできてもせいぜいこれくらいだろうな」って値踏みして人選してた。「人ってそんなに簡単には変われないよな」と。大学生たちは、可能性の塊、そんなの簡単に突き破ってくる。人間ってすごい!若いってすごいって思ったね。

 

 

人生における問い

20代の頃からの一貫したテーマは「組織」なんです。学生時代のアルバイト組織に始まり、社会人になれば組織のパフォーマンスを変える要因って何だろう、個人の幸せとかやりがいって大事だよな〜って考え続けて来た。”組織”とは何か?という問いを持ち続けている。4,5人のチームでも5万人の会社でも「組織」にはきっと共通の大事な要素やメカニズムがあって、それを考えることは、社会全体を考えることと同じ構造の問いなんですよね。「住みやすい社会って何だっけ?」とかそもそも「社会って何だっけ?」とかっていう問いも生まれてきて、それらと日々向き合う中で自分は日々アップデートして進化している。難しい問いだと思っている。分かったと思ったら嘘だと思ってるし、これから先もずっと向き合い続ける。簡単に答えの出る問いはつまらない、人生をかけて問う問いではないよね。

 

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たかやんにとって武者修行とは

「人に会う、旅に出る、本を読む」、この3つが人を成長させるって言われてるけど、武者修行プログラムは旅だと思ってるんですよ。予め想像できるような状況に行くのは旅じゃなくて、行く先で今まで見たことない景色に遭遇するとか、思ってもみなかった人に出会うとか、感じたことのなかった感情が湧き上がるとか、これが旅だと思ってる。それでここで大事なのもやっぱり予断をしない(予め自分で決めつけない)ってことなんですよ。例えば、「この程度のことをしておけば済むだろう」、「どうせこんなことやっても仕方がない」とかいうことを繰り返してるといつまでも世界観(価値観)は広がらないまま、チャンスも来ない。
あと、武者修行プログラム終了後、普段の生活の中でも自分を成長させるチャンスはいっぱいある。一つ誰にでもできる習慣として、誰かとの会話で自分が全然興味のない事でも、一言目でいったん「それって、とっても面白そうですね!」って言ってみる。そうすると必然的に何で面白いのって聞くことになるし、言われた相手ももっともっとたくさん知って欲しいと思って、話そうって気になる。これを習慣にしたら、相当世界が広がる。

 

 

武者修了生に一言

「最短距離が必ずしもベストではないよ」と伝えたいかな。みんな近道を探している(寄り道を悪だと思っている)ように見える。効率よくやろうとする。早く目標達成したいという意識がちょっと強過ぎるんじゃないかなって感じていてそれがベストに見えがちだけど、経験者からすると逆に遠回りだよって思うんだよね。
そういう人に限って、手段が目的になりがちで、本質を掴めないことが多い気がする。
早く進みたいっていうことは目標が既に決まっていてその目標を信じているから全力を出せるんだけど、その目標はその人の人生にとって果たしてベストフィットなのかどうかがそもそも怪しいんじゃないかなって。それと、悩んで立ち止まり続けることはもっと悪いけど。
世の中にはみんなが知っているよりももっといろんな職業や生き様がある。なのに今自分にある選択肢の中から将来を考えるのってすごくもったいないなって思うんだよね。だからこそ、裾野を広げる(遊びや余白をもつ)方が後々思ってもみないところで役に立ってくる。目標なんて変わって当たり前。大学時代って何かの領域の専門性を高めるっていうために使ったりもできるんだけど、自分の土台をもっと広げていって欲しいなと思うな。土台が広い方が高く積み上がるからね。

 

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– 武者修行会報誌「Pit in」
vol.7+号 2023年春号 掲載