うちゅうを起点に社会変革を目指す | 武者修行プログラム™

うちゅうを起点に社会変革を目指す

  • 坪井俊輔
  • 横浜国立大学
  • 2016年春

うちゅう(宇宙)を切り口に、子供たちの創造性を高め、主体的に将来のやりたいことを自己実現をサポートする宇宙教室事業や、中・高校生に対して大学生の支援のもと人工衛星を作り、実際にうちゅうまで飛ばす日本初の人工衛星開発プロジェクトを行っている、武者修行修了生の株式会社うちゅうCEO坪井俊輔(しゅんすけ)に、なぜうちゅう起点で考えるのか訊いた。

shunsuke坪井俊輔|SHUNSUKE TSUBOI

株式会社うちゅう 代表取締役社長CEO / 横浜国立大学理工学部機械工学科在学中。 大学入学後にロボコンサークルRobo+ismに所属しており、マシン班に所属、NHK学生ロボコン2015において二台のバトミントンロボットを作成し、全国ベスト4に輝く。2015年末武者修行プログラムに参加後、株式会社うちゅうを起業。現在、Teramechanicsにおける火星探査ローバーのホイールの実験的研究を行うとともに、“宇宙教室”という名を基に、宇宙教育を実践している。

 

―――なぜうちゅうを創業したのでしょうか?

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中学2年生の時に、うちゅうが好きになり“むちゅう”になりました。しかしながら、自分自身の将来やりたいことであった「JAXAで仕事がしたい!」ということを一度捨てかけてしまったことがありました。

なぜなら、「宇宙は多くの人にとって現実味を帯びない分野だ」、「才能のある人だけが関われるものだ」と一般的に考えられており、そのような人たちは、宇宙業界に関わっていない、やっていないにも関わらず、僕は多くの方に宇宙で活躍するなんて無理に決まってると自分の夢を否定され続けました。さらには、うちゅうのことを学ぶ場はほとんど無く、情報がほとんど変わらない博物館であったり、年に数度しかないJAXAのイベントに行く事しかできませんでした。高校生になった頃には私は宇宙に関わる仕事をしたいとは言わなくなりました

大学に入ってから、自分自身の道を切り開くためのチャンスが数多くあり、それによって大学の在学中に多くのことを成し遂げることがすこしずつできてきました。しかし多くの人は、大学に入ってからも自分のやりたいことがわからず、ただ日常を過ごしているのがほとんどでした。

そういった状況を私は変えたいと思いましたし、その状況を変えるために、小中高生の教育が変わらなければいけないと思いました。

なぜなら、実体験として、子供たちのやりたいことを周りのクラスメイトや親、先生方が素直に受け入れ、主体的にやってみるように促す教育がなかなかされていないからです。特に、中学以降の授業はほとんどの授業がインプットの教育(パッシブラーニング)になっています。

私はうちゅうを切り口に、子供たちの創造性を育み、その子たちが将来、自己実現できることを目標に現在、“宇宙教室”での授業を行っております。その授業内にはアクティブラーニングを導入しており、この教育によって子供たちが主体的に考え行動し、自分のやりたいことをやれるようになると確信しております。

将来的に、この教室から、イーロン・マスクのような、将来宇宙開発を民間で一緒にやっていける人がたくさん出て、日本初の宇宙教育のプラットフォームを創りあげたいです。

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―――武者修行プログラムが与えた影響はありましたか?

武者修行プログラムでは圧倒的な行動力と仲間との助け合いの大事さをとても学びました。

ホイアンで共にビジネスをした仲間とは武者修行期間中に何度も本音でぶつかり合い、それで涙を流したことも多々ありました。

きっと誰もが本音なんて簡単には言えないと思います。僕もベトナムに来た時、最初はそうでした。

なぜなら、たった2週間のプログラムで一緒になる仲間だし、ビジネスに専念して自分の力を試そうとしか考えていなかったからです。

けれども、すぐにファシリテーターの人には本音でぶつかり合ってないことがわかってしまうんです。この本気のぶつかり合いを経て、その仲間たちと共に一緒にビジネスを作り上げる経験を得たことで、このプログラムが終わった後、いままでの僕が過ごしてきた日常はとても違ったように感じたのです。

何かを成し遂げたい。それは何だろうかと考えていると、いままで自分が抱えてきていた社会課題はたくさんありました。それは教育であったり、世界の国の貧富の格差問題、そして宇宙であったりしました。

僕は世の中には理不尽なことがたくさんあることを自分自身の過去を振り返りながら認識すると共に、その理不尽なことに目を背けて生きてきた自分自身がいたことに気づきました。

思い出したくもないこともたくさん思い出しました。この時、僕はそれらを解決することが僕のやるべきことなのではないか思い、起業の道に進みました。

いままで、僕は誰かがやってくれると思っていましたが、世の中はほとんど変わりませんでした。その2週間があったからこそ、いまがあり、仲間とともに全力になれている自分がいるのだと思います。

 

株式会社うちゅう

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